2017年09月07日

森下利典さんの木口木版画作品展!

ずいぶん涼しくなって、秋らしくなってきましたね。
さて、現在、アトリエでは今年10月に開催の第11回全国公募西脇市サムホール大賞展に併せて、前回の第10回展で準大賞を受賞された森下利典さんの個展を開催しております。受賞作品は日本神話の因幡の白ウサギを木彫で表現した作品だったのですが、今回は木口版画でご出品いただきました!!!
DSC_0304(s).jpg
森下利典さんは、1952年(昭和27年)に名古屋市に生まれ、1975年武蔵野美術大学産業デザイン学科を卒業し、三越宣伝部に入社後はグラフィックデザイナーとして朝日広告賞や毎日広告賞、電通賞など数々の広告賞を受賞しました。退社後は、世田谷美術館の美術大学24期生として約8ヵ月間美術を学びなおし、木彫、銅版画、映画製作など数々の講座を受講する中で、木口木版と出会います。
木口木版・・・聞きなれない方が多いのではないでしょうか?
木口木版とは、黄楊(つげ)や椿、楓といった目が詰まった固い木を輪切りにし、その切り口を版木として使用する木版画です。ビュラン(鋼鉄製の彫刻刀)を使用することによって、木版の温もりはそのままに、エッチングの様な緻密で美しい描線を生み出す事が出来ます。
森下さんは、限られた版面の中で木と会話しながら制作することが出来る木口木版に魅了され、制作を続けています。
本展では、《インドシリーズ》と《神話シリーズ》から20点を展示していただきました。
《インドシリーズ》は、横尾忠則氏の影響を受けて訪れたインドでの記憶・街並み等が描かれ、《神話シリーズ》ではイザナミやスサノオ、ヤマタノオロチ、因幡の白兎等の日本神話が題材となっています。どちらのシリーズも神聖な生きもの、神々が紡ぐ物語や伝説をモチーフとしている為、神秘的な世界のなかに民族固有の価値観が感じられます。

DSC_0290(s).jpg
神話シリーズの《因幡の白兎》では、ウサギが因幡の国へ向かうためにワニを騙して海を渡るワンシーンが描かれています。風でパタパタとはためくウサギの長い耳や、打ち寄せる波の上を飛ぶように泳ぐワニの身体の動き、そして版画手法の鏡貼りを用いたシンメトリーの構図からは一瞬を切り取った形態ではなく、ストップモーションアニメの様な効果が生み出されて躍動感と疾走感が感じられます。

縞や螺旋、サンゴ礁の様な形態、線や点といった様々な描写を組み合わせて、刻々と形を変える波の表情も豊かに表現されています。
個性的な木の形がそのまま輪郭線となる木口木版画の特徴を生かし、暗い洞窟の中に光り輝く異世界を覗き見ているような冒険心を味わえる森下さんの作品世界を是非ご高覧ください。(翠)

●作品数:20点
●会期:8月28日(月)~9月18日(月・祝)
●開館:午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
※最終日は午後3時まで
●休館:月曜日
※アトリエは入館無料
posted by おかのやまへそ at 19:54| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください