南野佳英さんは、1969年に神戸市に生まれ、1994年に京都市立芸術大学美術学部彫刻科を卒業後、インド留学、各国放浪、インド瞑想旅行等を経て、現在は淡路島ノマド村を拠点に制作活動を続けている現代美術家です。
「Secret of Sound」をテーマに、音と音の間を描いたドローイングと、形の成り立ちを追求した根源的な木彫によるインスタレーションを行い、展示会場でパフォーマンスして、エスラージ(インド民族弓奏楽器)で演奏するという作品を制作しています。


京都市立芸術大学在学中は、“世界や社会のあたりまえ”がうまく受け入れられなかった幼少の頃からの経験を、彫刻表現を通して、自身の存在への追及へと展開していました。卒業を目前にした頃、インド音楽に出会ったことが、これまで抱いていた関心への一筋の光となり、ゆるぎない造形表現へと昇華させるきっかけとなりました。
インド音楽は、太陽が揺れながら沈むことを表現し、ここではないどこかへと誘い、空高く澄みわたる秋の空を表現したり、その音楽を奏でると雨が降ったり、だんだんと雨が降っていたらその音楽を口ずさむようになったり…。
音楽の中に原初的な要素が残っている感覚が、「こうあるべき」という心理に対する答えのように感じたといい、以降、音楽を取り入れた壮大な作品を展開するようになりました。
本展では、ドローイング、彫刻、音楽の、「描く」、「刻む」、「弾く」身体的な行為と要素が共鳴したユニークな作品を通して、目には見えない旋律が目に見える”カタチ”となる瞬間、自然のゆるぎないエネルギーに満ちた南野さんのインスタレーション作品の魅力を紹介しています。

展覧会期間中の9月18日、23日、27日、29日、10月6日には、会場でエスラージの演奏も行われます。
エスラージの異国情緒あふれる幻想的な音と作品を鑑賞しながら瞑想にふけってみてはいかがでしょうか?
皆様のご来館お待ちしております。
●作品数:27点 ※会期中出品作品が増える予定です。
●会 期:令和元年9月18日(水)~10月6日(日)
午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
※最終日は午後3時まで
●休館日:9月24日(火)、30日(月)
※アトリエは入館無料